季刊誌ばうむ 夏号-裏-6

土佐町土居、のどかな住宅街の一角にある手織り木綿工房「さゝ布」。

ここで工房を構える山中さんは、「草木染め」と呼ばれる手法で糸を染め、布を織り、バッグや反物、小物など様々な商品を作る。

季刊誌ばうむ 夏号-裏-8

 草木染めとは、木の皮、葉や草といった天然素材を用い染色する手法で、素材とその組み合わせ、「媒染」と呼ばれる行程を変えると無限に色が出来る。

 綿から糸をつむぎ、その糸を長く連ね、何重も束ねる。しかしこの最初の作業が最も重要で、「素材である糸づくりが全行程で最も神経を使います。」と山中さんは苦労をひと言。それは織る際、糸が不均等だとダマになったり、切れたり、と商品の見た目や強度など品質を左右する。

季刊誌ばうむ 夏号-裏-9

 糸が出来ると次に染めに入る。染めは毎年日照時間が長く、晴れの多い夏から秋口に行い、鮮やかに染まり上がるとようやく織りの作業に入る。

 時間と手間を充分にかけ、丁寧に折り込まれ生み出される商品は鮮やかな色彩、手触りの良さに加え、温もりや優しささえ溢れる。

季刊誌ばうむ 夏号-裏-7

手織り木綿について山中さんは「糸はつむぐ人の心境や思いなどが反映される。 それらを使い作られる布、商品にも個性が出るところが魅力で今後はさらに魅力ある手織り木綿を作り、さらにバリエーションを増やしたい。」と話す。

what’s my IP .