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道の駅土佐さめうらの建物から裏手にまわるとすぐにある「やまびこ窯」。

さまざまな色や大きさ、形の陶器が所狭しと並び、この工房を華やかに彩る。

ここを経営する時久さんは本山町出身で、14年前からこの場所に窯を開いている。

新聞や陶芸専門誌にも取り上げられている時久さん。以前は益子焼きで有名な栃木県益子町の塚本製陶所で技術・経験を重ねた後、埼玉県川越市にて陶芸教室を開いていた。

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そして29年前故郷である本山町へUターンし、窯を開く。

制作活動を精力的に行うかたわら工房にて体験教室を開く他、県内各地での出張陶芸教室も行っている。

時久さんのつくる陶器はシンプルかつ、機能美に優れ、触れると手にしっとりと馴染む。飽きのこない美しさで、使うほどに愛着の度合いは増すばかり。

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轆轤をまわし、素早くさらっと出来るイメージの陶芸だが、その作る行程は難しく、繊細でかなりの集中力を要し、ひと時も気が抜けない。さらに仕上がった作品の乾燥行程ではときにひび割れ等の要因で一から作り直すこともある。

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しかし「そのすんなりといかないのが魅力のひとつ。中でもデザイン決めや、制作する際には“遊び心”を常に持つことが重要」と言う。

現在も出張やイベントでの販売で県内各地を回る時久さんは「今後も今まで通り作品の販売や教室を行っていき、使う人が愛着を持ち、長く使ってもらえるものを作っていきたい」と笑顔で話す。