険しい山に囲まれ、今なお棚田が残る集落、本山町高角。アルプスの風景を思わせるこの集落にて有機野菜を作る佐藤夫妻。その自然に魅せられ、平成19年同地区にて新規就農し、夫婦で野菜の栽培とその加工品製造を行う「さとうベジファーム」を立ち上げた。
元々、夫の健二さんは福島県、妻の晶さんは大阪府出身。健二さんは東京でサラリーマン、晶さんは兵庫県にて種苗関係の仕事をしていたという。
以前からそれぞれ『生産者にやさしい農業』、『自然に近い仕事』をしたいという思いがあり、健二さんは平成18年土佐町「有機の学校」にて栽培方法を学ぶ。その際お二人は知り合い、新規就農後に結婚。その3年後、有機JASの認定を取得し現在ご夫婦で生姜やトマトなどを栽培する。
佐藤さんは野菜を作る上で『田舎ならではのキレイな物』を作ることにこだわり、地元の山水を使い、栽培も地域の自然を活かした手法を用いる。
そのひとつ「土づくり」は土壌分析を行い、その状態により与える肥料を変える。肥料は化学系の物を一切使わず、EMで発酵させたものを使い、土壌の有機物をバランス良く保ち、特製野菜に最適の土を作る。
地域の自然を最大限に活かし作る野菜は安心安全はもちろん、旨味豊かで「大地をいただく」感じ。加工品も同じく優しい味が特徴で、地元さくら市やサンシャイン、さらにはネットにて販売も行う。
その様子を一目見ようと見学に来る方も多く、研修や視察なども受け入れている。
そんな野菜づくりにこだわりを見せる佐藤さん。今後について「畑の規模を拡大し、収量をあげると共に、加工品の充実化をはかりたい」とさらなる飛躍を目指し、変わらぬ野菜づくりを行っていく決意を表す。